5年という月日が2回巡り時を経て、静かに暗く涼しいガラスの中で眠り続けたワインが、ついにその眠りから覚め、テイスティングされる場面に巡りあう。そんな面白い経験をさせてくれたワインは、Savuto Doc 2003 dell’Azienda Agricola Odoardiである。ブドウ品種は、ガリオッポ、グレーコネーロ、ネレッロカプッチョ、マリオッコカニーノそして、サンジョベーゼ。
客観的にこのワインと比較すべきワインがあるわけではないのだが、一つ確かな事は2003年という年がとても暑かったということだ。このテイスティングでは、知覚や描写をしてワインを語るつもりはない、しかし、点数で比較し、そして世界のテイステターが何を感じたかを探ってみたい。
“Savutoらしい”、というべき歳を重ねた色合い、錆び付いた赤をまとったガーネット色。香りは、まさに地中海そのものである。ドライフルーツ、ドライフラワー、ローリエの葉、干し草、炭、煎ったコーヒー、苦いカカオ、錆、コーヒーかす、リクイリツィア(甘草)のようなスパイス。まるで、”Amaro del Capo”(カラブリアのハーブで作ったリキュール)の香りともいえる。
味は、アルコールとタンニンが驚くべきバランスでしっかりと感じられ、酸を損なう事なくしっかりと味わいがある。ボディーはしっかりとしていて、口の中に残る余韻はとても持続性がある。それでいて、あとくちはさっぱりとクリア。テイスティングの3つのステップで、一貫して調和がとれている。点数は、92/100(少し高く評価しすぎたかもしれないが、このままとしよう)
世界の評価を見てみよう….
86/100- 1999年のテイスティングの点数。上品な香り、後味はとても好ましい。味ははっきりとた”辛口”ではない。この値段だったらもう一度買いたい。
87/100- 1999年のテイスティングの点数。土の香り、フローラル、チェリーやブルーベリーの素朴なフルーツ、最後にまるでシトロンのような感覚(?)ボディーはしっかりしているが重厚すぎず、十分な酸味、好ましい。
90/100- 一方こちらは、2012年のテイスティングの点数。描写は、インクのような濃厚な赤、ソースにしたらおいしそう。