再発見 ボバル

シェリーの祖国スペイン、しかしスペインはそれだけではない。”Bobal”(ボバル)というブドウ品種をご存知だろうか。黒ブドウ品種のボバル、特に、同時に熟すことがないというその特徴から、一時はワインの世界から忘れられる危機に瀕していた。ボバルの持つ問題は、大きく二つに分ける事ができる。1本の樹上になるブドウ房のサイズの違い、株が同じでも房の熟すタイミングが異なるという事である。パラドックス的なフェノール熟成、つまりは1本の樹に明らかに過密状態の粒が完璧に熟している一方で、他のもっと小さい房はまだ完全に熟していない、という事が生じるのである。

このことが理由で、品種絶滅の危機に瀕していたが、いい状態で成熟が進むと、ワインは卓越して、複雑性とエレガントな果実味、中でも濃厚なチェリー、桑の実をそのままフローズンにして、暑い夏に喉をうるわすかのごとく感じられるということが分かったのである。色は非常に濃厚、ワインの中に含まれているPHにより、まるでチェリーの皮がツヤツヤとしているかの様に、いきいきと輝いた色を維持することができる。そして、味はミネラル感が豊富、甘いタンニンが口の中に豊かにひろがる….

現在、もっとも栽培が多い地域 ヴァレンシアのUtiel-Requena、栽培面積は1,000,000ヘクタール、このブドウ種を最大限に活かす事のできる115のワイナリーが存在する。ボバル(土着品種)が、最も多く使われ、他にテンプラニーリョ、グルナッシュ、グルナッシュティントレア、カベルネソーヴィニヨン、メルロー、シラー、プティヴェルド、カベルネフラン、そしてピノノワールも使われている。

スペインで、ボバルは健康の万能薬として考えられており、非常に高い抗酸化成分(ポリフェノール、レスベラトール)を含んでいる。ボバルからは、ワインだけではなく、濃縮ジュースも作られているおり、微量元素成分オリゴエレメントが豊富で、生体におけるいくつかの欠乏を整える効果があり、小児、高齢者、スポーツマンに薦められる。

ワインでは、近々に行われる展示会で味わうチャンスが巡ってくるであろう。Prowine,Vinitaly,Vinexpo,そしてロンドンのWine Fairまで…主な生産者名は、Andrés Valiente, La Madronera, Bodegas Palmera, Torre Oria, Bodega Pedro Moreno 1940など。いずれにしても、Utiel-Requenaのどのボバルをテイスティングしいたら良いか、見極める為の2つのポイントはチェリーの様な濃厚な赤、光り輝くようなニュアンスをもつふちの色である。Salud!casino onlinecasino online

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