JAPAN Whisky – De Vinis –

イタリアでもじわじわとその人気が高まりつつある日本のウィスキー。27期Accademia dei viniソムリエ養成コースの講師として日本を訪れたロベルト・ベッリーニ氏。偶然にも1ヶ月前に日本のウィスキーの記事を執筆しています。1レベルの授業の中でも扱う「ウィスキー」の記事をご覧下さい。

オリジナル記事:DeVinisより

日本製のウィスキーの品質は「世界最高品質」として位置づけられているというのは、もはや一つの世界の常識とも言えるでしょう。

その品質の確立は、スコットランド人さえも羨む、日本人の仕事に対する厳格な姿勢から生まれた物なのです。しかしこれは決して偶然から生まれた物ではなく、ある意味綿密なプログラムが基盤になっているとも言えるでしょう。その歴史は1924年のNIKKA WHISKYの設立にさかのぼります。

よく昔の人は「芸術を学んだらそれは一旦脇に置いておけ」と言っていました。日本人はその学んだ芸術をそのまま脇に置くのではなく、本物の芸術以上の物に育て上げたのです。

NIKKAウィスキーはシングルモルトウィスキーに留まらず、ブレンドに置いてもその品質の高さが際立っています。

例えば“NIKKA FROM THE BARREL”では原料に大麦とその他の穀物類が使われ、二度に渡る熟成が行われます。この際に始めは原材料ごとに蒸留を行い、その後熟成の加減を見極めながらアルコールの状況が落ち着いた段階でそれらを合わせて樽の中に詰めて再熟成を行います。

いわゆるこれが「結婚」とでも言うのでしょうか、二つの蒸留種が共に寄り添いながら熟成をして行き、非常に特別なウィスキーとなって行くのです。

“NIKKA FROM THE BARREL”の特徴は「カリッ」とした音を思い起こさせる香ばしい色合いで、香りにはタバコの葉がゆっくりと温められたときのような香りを感じさせ、柑橘のフルーツの皮の部分をコニャックに溶かしたような独特な香りが加わります。ビートのような少しほろ苦さを思い起こさせるのも非常に特徴的です。アルコール度数が51,4%ということもあり、口に含むとそのアルコールの鋭さも感じるとともに、強さだけではなく奥行きの深さを感じる印象です。つまり、全てが口の中でバランスが取れているのです。

NIKKAはこのウイスキーの登場により、ある意味このカテゴリーのウィスキーに大きな動揺を与えた事でしょう。なぜならその枠に収まりきらないクオリティーを持ち合わせているからです。

ちなみに、このウィスキーは、ロックではなく味わう方がその良さをいっそう感じ取ることができるのでお試し下さい。

コメントは停止中です。