イタリア料理を勉強していたことがきっかけで、イタリアソムリエ養成講座に興味を持っていた小山さん。とはいえ、Accademia dei vini 開催のソムリエコースでは一ヶ月半に渡るイタリアでの授業。日本を長期間離れるのは難しく、”いつか受講できたら…”と感じていらっしゃったそうです。そんなとき、友人から日本でコースが開催されるという話を聞き、このチャンスを逃してはいけないと、受講を決意しました。
小山さんは既に日本ソムリエ協会のワインエキスパート資格を勉強されていた為、基本的なワインの醸造方法や世界のワインについては、あまり難しさを感じることはなく勉強できたそう。でも、イタリアワインについてはまずイタリアの地名に馴染みがなくDOCGやDOCを覚える際に、外国人ゆえの弱点を実感したそうです。
ワインのテイスティングでは、テイスティング方法が日本ソムリエ協会の方法と違う為、慣れるのが大変だったとのこと。イタリアソムリエ協会の方法では、それまであまり意識していなかったミネラルの評価と、ワインの柔らかさと固さのバランスを考えるようになりました。
特に世界に唯一と言われている「食べ合わせについて分析知識をつける」イタリアソムリエ協会独自の方法は、とても興味深い内容となったそうです。
小山さんの参加された日本でのアビナメント実践の授業はレストランで開催し、初の試みでもある和の調味料を使った料理との合わせには”全てがベストな組み合わせてはない場合にも、ワインと料理の味の要素をひとつひとつ分析しながら相性を考えていく作業がとても刺激的。 そしてテイスティングしたカラブリア州のDOC赤ワインSAVUTOに豚肉のローストがよく合っていた事も強く印象に残っています。 “と授業を振り返ってくださいました。
“ソムリエという仕事はワインの知識だけでなく、料理やサービス、経営的な視点など様々な要素が必要とされる非常に難しく、でも面白い仕事。ソムリエの仕事をしているわけではありませんが、現在の仕事の上でも非常に役に立っています。”と資格の勉強をしてみて感じたのだとか。また、ワインは食と共にあるということを授業を通して改めて実感されたそうです。”ワインと料理のどちらも最高に引き立つ組み合わせ”を、学んだ知識をベースに更に追及していきたいと新たな思いも。
現在は、ご自宅および大手ワインスクールのアカデミー・デュ・ヴァンで料理とワインを教えていらっしゃる小山さん。イタリアソムリエの資格を取得したことで、『イタリアの食とワインの専門家として認知していただけるとともに難しいと敬遠されがちなイタリアワインを広く日本に普及させていき、日本で行われるAIS関連のイタリアワインイベントにも参加していきたいです。』とイタリアワインソムリエとしての今後の活動の展望を教えてくださいました。
小山さんの参加された日本でのコースは約一年に渡り1・2・3レベルと授業が開催されました。『せっかく学んだ内容を忘れがちだったことは否めません。いかに講座のない期間を高いモチベーションを持って過ごすかが、合格するポイント。そしてどのコースも集中して開催されるので、その中でできる限りコンディションをよくして参加することも必要。決して簡単に取れる資格ではないと思いますが、学んだことは自身の力になるので、興味をお持ちの方にはぜひチャレンジしていただきたい、それだけの価値がある資格だと思います。』とこれから開催される日本での参加者へエールを送ってくださいました。
略歴
料理研究家。2011年より、麻布十番の自宅でイタリア料理とワインの教室を主宰。2014年に南麻布の外人向けマンションに居を移す。広々とした空間で、外国にいるような雰囲気で料理を習えると評判。他に大手ワインスクールアカデミー・デユ・ヴァンの講師としても活躍中。ワインイベントのプロデュースやレストランのワインコンサルタントなども行っている。ワイン愛好家のためのウェブサイト「ソムリエノート」でもコラムを担当。
<取得資格>
イタリアソムリエ協会認定ソムリエ
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
日本ソムリエ協会認定ワイン検定講師(ブロンズクラス・シルバークラス)
チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル
サーブルドール騎士団 サブラー
イタリア料理とワインの教室HP:https://www.facebook.com/happytable.jp
ソムリエノートHP:http://sommeliernote.jp/