イタリアでは、”SAKE”(日本酒)はまだまだ食事との組み合わせを考える、というところまでは至っていないようである、イタリア料理との組み合わせを考えなければ行けないわけではもちろんなく、イタリアのなかで少しずつシミをつけるようにひろがりつつある日本料理との組み合わせですら、難しい様に思える。イギリスでは、状況は全く異なっている。
ロンドンは、食文化のひろがり方については、まるで別の惑星にいるかのごとく、世界の他の大都市を見回しても匹敵するものがいない位の、様々なアルコール類の広がりがある。だからこそ、日本酒へもさらに注目が集まっている。何か他のアルコール類の代用に、ということではなく、日本酒について学ぶというレベルなのである。
このプロジェクトの先導は、 日本料理ではなく中華料理レストランの”Hakkasan”グループ。メイフェアーの中心に”Sake no Hana (酒の花)”というレストランが誕生をさせた。陶板焼きや、釜飯、鮨や刺身だけではなく、さらに日本酒を食事との組み合わせまでを取り入れたコンセプトである。結果は驚くべきものであった。予想外の消費の急上昇がみられ、そのセレクトのクオリティの高さが多いに興味を惹き受け入れられたのだ。そして、火がついた日本酒への興味をさらに、発展させるものとして選ばれたのが”日本酒のコース”である。おそらくこの手のものではヨーロッパでは初めてなのではないだろうか。
コース(イギリス人向けマスタークラス)は、8月3日、9月7日、10月5日に酒の花で開催。半日の内容で、米の発酵物である”酒”の説明、水の美しさが如何に重要であるか、そして”toji”(杜氏)の存在の重要性が説明される予定。マスタークラスは梅酒を含む7種の日本酒のガイドテイスティングで締めくくられる。そして、その後”sake”とともに、日本スタイルの料理のランチがつく。価格は60ポンド。
常に新しい事を勉強しておきたいというソムリエ、とくにコンクールに出場を考えている人にとっては、興味深い内容であろう….